。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。




部屋の真ん中に置かれたテーブルの上にタブレットを乗せると、キョウスケは何やら指を動かせて操作。


一見して地図のような……でも何かの見取り図のようにも見える線の中、青く点滅している四角い印を指さし。


「戒さんのGPS……御園医院から数キロ離れた場所……


地図で言うと喫茶店になってますね」


喫茶店?


あいつ、あたしらを心配させて茶してるってのか!


てかGPSってどこにつけたんだよ。ケータイか?でも電源切られた意味がないんじゃ??


「戒さんのネックレスです。ペンダントトップに」とあたしの問いかけを先回りしてキョウスケが答えてくれて


あー、そだ。あいついつもはあんまアクセとかつけないのに、今日に限って洒落たシルバーのネックレス付けてたような…


あれってそう言う意味だったんかよ。


「でも普通のGPSってさ、どこかに置いてきたりしたらその場所で反応するもんだろ?


もし、戒が襲われてたら……」


と、ちょっと不安になってキョウスケを見ると


「それはありません。あのGPSは特殊なもので、熱探知が付いてるので」


「熱探知?」


「生きてる人間の体温に反応するように作ってあります。一定の温度より下がったり、また上がったりすると、GPSのこの青い部分が赤く変化します。


少なくとも、生きてます」


キョウスケはそう言うけどよー……


「とにかく今は待ちましょう……」と言ってるところだった。


「おーい、キョウスケ」と、壱衣の声が遠くで聞こえて、またあたしたちは顔を合わせた。