部屋の真ん中に置かれたテーブルの上にタブレットを乗せると、キョウスケは何やら指を動かせて操作。
一見して地図のような……でも何かの見取り図のようにも見える線の中、青く点滅している四角い印を指さし。
「戒さんのGPS……御園医院から数キロ離れた場所……
地図で言うと喫茶店になってますね」
喫茶店?
あいつ、あたしらを心配させて茶してるってのか!
てかGPSってどこにつけたんだよ。ケータイか?でも電源切られた意味がないんじゃ??
「戒さんのネックレスです。ペンダントトップに」とあたしの問いかけを先回りしてキョウスケが答えてくれて
あー、そだ。あいついつもはあんまアクセとかつけないのに、今日に限って洒落たシルバーのネックレス付けてたような…
あれってそう言う意味だったんかよ。
「でも普通のGPSってさ、どこかに置いてきたりしたらその場所で反応するもんだろ?
もし、戒が襲われてたら……」
と、ちょっと不安になってキョウスケを見ると
「それはありません。あのGPSは特殊なもので、熱探知が付いてるので」
「熱探知?」
「生きてる人間の体温に反応するように作ってあります。一定の温度より下がったり、また上がったりすると、GPSのこの青い部分が赤く変化します。
少なくとも、生きてます」
キョウスケはそう言うけどよー……
「とにかく今は待ちましょう……」と言ってるところだった。
「おーい、キョウスケ」と、壱衣の声が遠くで聞こえて、またあたしたちは顔を合わせた。



