「な……何それ!!酷い!」


とあたしが勢い込むと


「だろ~…子供は親を選べねぇし…まぁ俺も色々どーでもいーや、って思ってた時だったから、それ程ダメージを受けなかったけど~」


あたしは大きくため息を吐いた。


「でも……母親は子供を平等に愛してあげるべきです」


「優しいな…リコちゃんは…こんなしょーもない俺のことを、そんな風に言ってくれて」


「しょ…しょーもなくなんてない!


だって先輩はいつもあたしを笑わかせてくれる、いつも楽しませてくれる(最初は怖かったけど)


そうゆうの出来る人ってなかなか居ない……です」


「あはは~…てかやっぱ最後敬語??」と先輩は笑った。


急に自分が言ったことが恥ずかしくなって思わず顔を覆うと


「ヤクザってさ~…不思議な世界で、血の繋がりなんてないのに、兄弟や家族ができて、それは永遠に続くもんでさー」


「……はい」


「ホンモノの兄弟でも築けない…絆?って言うの…それを築ける世界だと思って」


そう言うことか…先輩がやたらと龍崎くんや響輔さんに懐いてるワケは。


あたしだって親友の朔羅が極道一家じゃなかったら、きっとその世界とは一生無縁だったろうし、たぶん近づけなかったであろう、その場所に何で先輩が憧れてるのか、ようやく分かった。


先輩はただワルの道が好きで、正真正銘のワルだと思ってたけど、でも


ちゃんと意味があったんだね…