女子三人ワイワイしながらキッチンに向かうと、時計はすでに19:30を過ぎていた。
ヤベ!急いでご飯作らないと!
戒、それから千里とキモ金髪とキョウスケはすでにリビングでくつろぎ中で、イチが一人、ネイビー色のシンプルなエプロン姿で野菜を洗っていた。
「す、すみません!やらせちゃって!」
とリコが慌てて
「いいわよ、慣れてるし」とイチはそっけなく言い、リコは恐縮したようにキッチンに入って行く。
何となく居心地の悪さを感じながらあたしとエリナが続いて入った。
でも居心地が悪かったのは数分で、
ガシャっ!グシャッ!
「やだ!卵、殻が入っちゃった~」とリコがボウルの中に落とし入れた卵の中身を覗きこみながら
「ホントだ~スプーンですくったら?」とエリナがスプーンを取り出し
「緊張してんのか?力み過ぎだって」とあたしが苦笑いと浮かべていると
コンコン…
パカっ
隣でイチが卵を割ってて…
てか意外と手際がいい…って言うかかなり!?
あのパンツ見えそうなスカート履いてるくせに(←それは関係ありません)エリナが喜びそうなキラキラなネイルしてるのに。
その手つきは長年の間に身に着けたテクのように思える。
片手でいとも簡単に割り入れた卵のボウルを、
「はい」と無表情でズイと押し付けられる。
「え?」とあたしが目をまばたいていると
「殻、入っちゃったんでしょ?あたし、それ取るからこっちの使えばいいよ」
と言ってリコの手元からボウルを取りあげる。
な、何か……思ったより……
感じいい??



