キモ金髪の別荘は広くてきれいだった。可愛い外見とは反対で、家具や調度品なんかはスタイリッシュで洗練されていた。
「ぅわ~中もきれい!」
とあたしは一人ワクワク。
ぱっと見たくさん部屋があるように見えたが、どうやら使えるゲストルームは一階に三部屋、二階に一部屋らしい。別荘の規模からして、一部屋一部屋の間取りが広いと見える。
合計四部屋か…
しかも……どの部屋もダブルサイズのベッドが一つと言う状況…
「おい、キモ金髪!なんっでそんな面倒くさい造りなんだ!」
とあたしはキモ金髪の胸倉を掴むと
「す、すみません姐さん……俺の親父が所有してるからゲストは夫婦が多いって…」
とキモ金髪は苦しそうに言う。
キョウスケとイチの喧嘩にもびっくりしたが、一番あたしが短気なんじゃないの??
「まぁまぁ落ち着けって。お前ら女子は一部屋使えば?女子三人だったら多少狭くてもイケるだろ。俺らは二部屋」
戒はそう言って自分と千里とキモ金髪を指さし。
ここでまたも一揉め。
「はぁ!?お前と部屋が一緒だ!?ぜってぇイヤ!」と千里が戒を睨み
「俺だって嫌だ。従って、進藤と一ノ瀬は同じ部屋ね。俺は一部屋使わせてもらう」と戒が言い
「じゃぁ残りの部屋は……?まさか戒さん…俺はこの女と…?」
とキョウスケがすでに青筋を浮かべてイチを指さし
「そうに決まってるやん♪ええやん、ハッキリとカップル分かってるのお前らんとこやし」
と戒はさらりと言って
「いやや!」キョウスケは喚いたが、戒は腕を組み「俺やって女狐と一晩とか堪えられへん(下半身の方が)」
「ちょっとぉ!何なの二人揃って!あたしだって女子と同じ部屋はイヤよ。ほとんど初対面だし」
そりゃそーだ、あたしだってイヤだ。てか気ぃ遣う。
あーだこーだと言いながら、最終的には結局戒の出した案が一番いいことだと行きついた。
いつもならリコがくじ引きしよう、と提案するところだが流石にこればかりはクジに頼れない。
しかし、部屋割でこんなに揉めるなんて!!
益々先行き不安!!



