恋すると女はきれいになるって言ってたけど、あれホントなんだな。


いつもリコは可愛いけど、今日は一層キラキラ度が増してる気がする。


「朔羅もエリナもお料理上手でしょ?羨ましいな~


あたしはお母さんのお手伝いも面倒くさい」とリコが口を尖らせ


「あたしも料理はそこまで」とエリナは苦笑い。「お菓子を作るのは好きだけど」


あたしは一学期の後半ぐらいにエリナが調理実習でケーキを可愛く焼いていたのを知ってる。


「リコ、あれ、やったのか?キモ金髪に。恒例になってるアンケート」


あたしがからかうようにリコをつつくと


「アンケート?」とエリナが不思議そうに首を傾ける。


「リコは好きになった男にアンケートを取るのが趣味なんだ」とあたしが説明すると


「趣味ってねぇ…」リコは苦笑い。


でも


「アンケートは取ってない。あたし、今まで好きになる人は、その人のこと少しでもあれこれ知りたくて、理解したくて、ついつい先走っちゃうの。


でも先輩はそんな感じじゃなくて、結構一緒に居た時間が長かったからかな、卵焼きが好きなこともだいぶ前から知ってたんだ」


「へー、そうなんだぁ。あたしはキモ金髪が何を好きなのか全く興味がなかったケド(名前も知らなかったぐれぇだしな、何気にこのシリーズ長く続いてるのに…)」


「でも、そうゆうの良いよね♪前から知ってる人のあれこれを一つずつ理解していくの。


好きになったらそれを実行して、楽しんでくれたら嬉しがってくれたら、こっちも嬉しいよね~」


とエリナがにこやかに笑い


「まぁ分からないワケもな……」と言いかけて


「くない!戒のヤツは猫かぶってたからな!あいつの本性知ったときはマジでカチコミ掛けるところだった!知りたくなかったぜ!!って思ったぐれぇだからな」


「「か、カチコミ…?」」またもリコとエリナの言葉が揃って


「あ、今のは聞かなかったことにして」とあたしは手で制止する素振り。


「過去のことだ…」と一人頷いてあたしはしみじみ。


「サクラ……何か悟り開いてるみたいだよ」とエリナが苦笑。


「武将通り越して、仏さま??」とリコが、ひょっと顏を出し


てか武将!?仏さま!


あたしゃ普通の女子高生だっつうの!