あたしたちはとりあえず別荘に荷物を置いて、夕飯の材料の買い出しに行くことに。


時間を見ると夜も18時近くだ。


キョウスケとイチはまだ到着してないようで、砂利を敷き詰めた駐車場には白いワゴンが停まっているだけだった。


「響ちゃんからメールがあった、遅れるって」


と戒はケータイを開き、真剣な目つきでケータイを睨んでいる。


「な、何……?キョウスケが事故とか…?」


不安になって戒を揺さぶると


「いや、単なる渋滞。あいつ渋滞にはまるとめっちゃ不機嫌になんねん」


あー…そっちの心配??


まぁ?スピード狂のキョウスケにとって渋滞は何よりストレスだろうが…


「『ちっ。俺の前をトロトロ走りやがって、いてまうぞクソが!』とか本気で隣でブツブツ言われてみ?」戒は響輔の声真似をして、


怖っっ!


と思ったが、


「……で、でもイチと一緒だったら流石に大人しくしてるんじゃ…」と慌てて言うと


「甘いな」


戒は、不敵にニヤリと笑い


「女狐も短気なヤっちゃ。車内で大喧嘩に発展してる可能性大やな」


ぇえ!


せっかくキモ金髪の別荘にテンションがマックスだったのに、また一波乱ありそうで、あたしはがくりと肩を落とした。


それでも、別荘から歩いて数分の場所にあるスーパーで買い物するとき、あたしはやっぱり楽しかった。


「あ、卵~♪買ってこ、買ってこ~?」とリコが卵のパックを手にしていて、少し離れた所、酒のコーナーに居る男陣がすぐ近くにいないから随分ハッチャけられる♪


「何作るの?オムレツ?オムライス?」とエリナが聞いていて


「卵焼き。し、進藤先輩が好きだって言ってたから」


リコは顔を赤くして卵のパックを買い物カゴに入れる。


「あたし、料理は全然ダメだから…昨日一生懸命練習したんだ~」


リコは恥ずかしそうに笑う。


リコ……


あんた最高に可愛いな!!!