。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



な、何か変なこと言ったか?あたし。


でも、前にイチがスネークの計画を終わりにするって条件でこいつに交際を迫ってたし…


「殺し屋と言うのは、余程のことが無い限り、契約は続行されます」


「よほどのこと―――…?」


それが何を示すのか皆目見当がつかず首を捻っていると





「雇い主の一結が死ぬか、或はスネーク自身が死ぬ―――か」




キョウスケは淡々とその言葉を吐いた。強弱のないその言葉に、緊迫感は感じられないが。


“死”と言う言葉を聞いて、あたしはドキリとした。心臓の……タトゥーのある場所を思わず押さえると


「……何だよ、知ってるみてぇな言い方……お前はスネークと話したことないんだろ?


だったら、例外だって……」


と言いかけた言葉を



「知ってます。


ホンモノの“殺し屋”を」




キョウスケがかき消した。


“ホンモノ”の殺し屋―――


殺し屋にホンモノもニセモノもあるのか、と突っ込みたかったが、そんな空気じゃない。


「ヤツらは雇い主が居てはじめて行動を起こします。


その契約が何で動いているのか分かりませんが。大抵は“金”です。


一結は例外―――……と言いたいところですが、やはりそうではなく、一結のバックについている何者かが、本来の雇い主か、と。


それに、一結がスネークを売るとなると、今度は一結の命が危ない」


イチのバック―――……?


ごくり、と唾を飲み込むと、キョウスケはさらに続けた。


「プロの殺し屋は一度引き受けた依頼を必ずやり遂げます。どんな方法で実行するのかは、本人以外誰も知らない。


今までの歴史上、例外は一切なし。痕跡も全く残さない。




()るか、()られるか―――です」




キョウスケの淡々とした言葉に、今更ながらじわりじわりと恐怖が這い上がってきた。