。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「んで?お前は大抵女と居るとき何考えてるの?」


なるべく世間話に聞こえるように明るく言って、向かい側でキョウスケは首を捻った。


「大したこと考えてません。


『今日の夕飯なんやろな~』とか??」


「何だよ、それ。女子の前で飯のことか?」


意外だ…こいつが性欲より食欲の方が勝っているとは。


いや、性欲もあんま無さそうだけど。(実際のところどーだか分かんないけど)


そう言う意味で戒と足して2で割ればちょーどいいんじゃね?


「あ、サンマ食いたいな~とか?」


「また魚かよ、好きだなお前。もしかして人魚の生まれ変わり?」


あたしは何でもないように笑った。


「そうかも」とキョウスケも笑った。


良かった―――あたしたち、普通っぽく見えるよね?




キョウスケはエビグラタンが残り半分と言うところでフォークを持つ手を休め


「俺、ほんまに卑怯なんです」


と切り出したとき、あたしは再び口を噤んだ。


「ずっと伸ばし伸ばしにしてた問題が解決したら、その重い解答を


今度はお嬢に背負わせて―――



免罪符やないけど、リコさんのこと頼みます」




キョウスケ―――……