。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「叔父貴さ~、あの顔で合コンとか行ってたんだぜ?」とあたしが苦笑いをすると


「マジで?」と戒は楽しそう。


「絶対に同じメンバーになりたない」とキョウスケは額を押さえる。


「でもそうしたら女子全員あいつがさらっていくだろうな…それは悔しい」


戒は歯軋りをして


「いや…それがあんまそうじゃないらしいよ?」


あたしがタチバナとのやりとりをかくかくしかじか話きかせると、戒は爆笑してたしキョウスケは魂抜かれたような顏してたし。


「あ、でも…叔父貴途中から電話掛かってきたんだ」


「電話?」と戒が目を細め


「あんま覚えてないけど……滑り台?みたいな名前だった。電話の相手は女らしくって、あ!そうだロシア人とか!何か武器商人とか…」あたしは声を潜めて二人にこそっと言うと


「滑り台??」と戒が首を捻り


「もしかして、スヴェトラーナじゃありません?」とキョウスケが言い


「そう!それ」


「スヴェトラーナ?」戒がまたまた首を捻る。


「ロシアの環境保護施設のセンターで、施設名はズェルーツカ。


スヴェトラーナはそのセンターの副センター長です」


キョウスケが説明をくれたけど、何だか難しくて頭に入ってこない。


でも戒は早々に理解したのか


「ふーん、でも環境保護センターが龍崎 琢磨に何の用があんねん」


と頭の後ろで手を組み


「表向きは環境保護団体を名乗っていますが、裏で黒い噂も立ってます。


まさか武器商人だったとは」


キョウスケが顎に手を掛け


「ふーん、でも何でお前が知ってるん?」と戒が聞き、あたしも頷いた。あんまよく分からないけど、環境保護施設の裏の顔が武器商人ってことで合ってるんだろ?


「うちの親父とも取引があったようで…


けれどちらっと聞いた名前だし、インターネットには環境保護施設で宣伝されてたし」


なるほど。


大まかなことは分かった。


でも今は叔父貴のビジネスよりも旅行の方が気になる!


「明日何着てこ~かな~」


とすぐに話を変えて「ワンピース希望♪」と戒も乗ってきたが、キョウスケだけは何事か考えていて、黙り込んだ。


何だってんだよ…