。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「けどさ~イチも旅行来るんなら10月の試写会に行かなくても会えるってことだよな。キョウスケと戒は会ってるみたいだけど」


と何となく切り出すと


キョウスケの片眉がぴくりと吊り上がった。


一瞬……不機嫌とは違う種類の、むしろ殺気に近いものを感じて


「あ!でも映画の試写会って初めてなんだよね!やっぱ行きたい」と手をあげると、まるで話題を変えるように


「ところで昨夜はどこにいたんですか?」と当の不機嫌(?)キョウスケが聞いてきて


「あ……うん…叔父貴と…」


せっかく楽しかったのに、何だか急に自分が後ろ暗いことをした、と言う現実を突きつけられ、あたしの声は小さくなった。


けれど戒はあまり気にしてないようで


「どっか行ったんか?うまいもんでも食わしてもらった?」


とさらっと聞いてくる。


「あ…うん。居酒屋…行った」


「居酒屋ぁ?あいつ…未成年を堂々と連れていくなよ」と戒が口を尖らせて


「あ、あたしが行きたいって言ったんだ。居酒屋行ったことないから。


お、お前らは?居酒屋行ったことある?」


話題を何とか変えようと二人を交互に見ると


「俺はないな~」と戒が言い

「俺は、大学の仲間とかで」


そっか~、そうだよな~


戒は普通に未成年だし、キョウスケは大学の付き合いだってあるだろうし。


何だか色々吹っ切れた。開き直ったと言った方が正しい。