。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。



「どうせ行くなら、明日の夜出発してその日泊まって、次の日まる一日遊んで泊まって、次の日朝イチで帰るってのはどうだ~?」


と戒が楽しそうに提案して


「それ、いいッスね!」とキモ金髪だけが同意。


……確かに、運良く(?)明後日はお店の定休日だ。あたしも戒も当然お休み。その次の日、戒は遅番。帰ってきてから…でも間に合うっちゃ間に合うが。


「お前もイチんとこのスケジュール押さえろよ?あの鬼マネージャーの同意が必要だろ?」と戒が目配せして、キョウスケは頬を撫で


「いいですけど……許してくれますかね。またビンタされるかも…」と眉を寄せて苦笑。


ビンタ??


それでも大人しくケータイを取り出している。


「それだと、すぐにエリナと千里にも聞かなきゃ!急に泊まりってことになるとおうちの人の承諾とか必要だろうし」


とリコが慌ててケータイを取り出し、もう行くモード全開。


この流れに、キマヅイのあたしだけ??な気がして、今更止めることもできない。


その勢いでリコがエリナに電話をして、あたしが千里に電話、そいでもってキョウスケはイチに電話と言うことで、一つのテーブルで三人が同時に電話を掛けた。


幸いなことに千里はすぐに電話に出た。


『おっす!どした~?』と千里の能天気な声を聞いて


「あ…うん…急なんだけどサ、明日の夜から明後日の朝まで、みんなでプチ旅行行こうってことになったんだけど、お前も来る?」おずおずと聞くと


『(プチ)旅行??みんなと?メンバーはお前と…』


「リコと戒とキョウスケとキモ金髪と、まだ決定してないけど、エリナと……キョウスケの……彼女と…」


最後の方は声が沈んでいく気がした。足掻いてると思われそうだけど、やっぱリコの居る手前手を叩いて喜べるメンバーではない。


『え?キョウスケさん彼女できたん?


てことはリコは……』


と千里も流石に空気を読んでいて


『リコは大丈夫なんかよ……』と声を潜めて聞いてきて、あたしは隣で楽しそうにエリナに電話しているリコを見て


「…うん、そっちの方は大丈夫…?な気がする」


『大丈夫な気がする……て。空元気じゃね?』


「それもあるだろうけど……本人行きがってるし。心配ならお前もこれば?」


『うん……そうだよな…あいつのことも心配だし…お前も心配だし…』


「は?あたし?」


『ちょっと前まで具合悪そうだったろ?』


そーだったね……てか覚えててくれたんだ。


『それに…!龍崎も一緒だろ!!あいつと二人きりにさせないぜ!!』


あっそ、そっちの心配??


じゃぁ千里は出席ってことで。