リコをフったことに責任を感じてたキョウスケにそう言わせる“何か”は分からない。
大体、キョウスケはそこんとこ人一倍気を使うヤツだ。マイペースだけど無神経なヤツじゃない。だからこう言い出したのも何かわけがある筈で…
いつもなら『またあたしだけ仲間はずれかよ!』って怒り出してたけど、キョウスケの態度を見てると……てか、二人の雰囲気から“それ”が何だか立ち入っちゃイケない禁域な気がした。
それはきっと―――
あたしの為―――……?
「でも…イチも誘うことないじゃん」とあたしの声は尻すぼみ。
「別に本気でイチに来てほしかったわけじゃねぇよ」とあたしの掴んだ手にそっと戒の掌が置かれて、胸倉から手を離される。
「じゃぁ何で……」
「あの女はスネークと繋がってる。あの女を押さえておけば、目に届くとこに置いておけば
スネークは手を出してこない」
スネーク……
平和(?)だった雰囲気が一気に変わった気がした。
忘れようとしても、それは無理で―――
「で?……手を出してこないって保証は?イチは保険か?」と目を上げると
「お前珍しく頭が回るな~」と戒はにこにこ笑ってあたしの頭を撫でる。
「と言うわけであの女も連れてこいよ?」とキョウスケの方に向かって戒が言うと、キョウスケはしぶしぶと言った感じで頷いた。
「それに進藤の恋も応援したいしな~♪」
と、戒が言い出し
「え!キモ金髪もリコのことを!?」
「“も”ってことは川上も好感触ってこと?」と戒がドリンクバーで何やら楽しそうに笑い合ってるリコ&キモ金髪を眺める。
「う……うん」
何とか答える。キモ金髪が戒に何を言ったのか分かんないけど、流石にあたしの口からリコとキモ金髪がキスしたってことは
言えねぇ。
「じゃー決まり♪」と半ば強引に決まっちまって、話し合いが終わった頃リコとキモ金髪が戻ってきた。
「メンバーが決まったことだし、明後日とかどうだ?店定休日だし」と戒が言い出し
「はぁ!?流石に急過ぎるだろ!」とあたしが言うと
「そうですね、明後日は天気もいいみたいですし」とキョウスケも同意。
何だよこの急展開は!!



