。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。




リコをフったことに責任を感じてたキョウスケにそう言わせる“何か”は分からない。


大体、キョウスケはそこんとこ人一倍気を使うヤツだ。マイペースだけど無神経なヤツじゃない。だからこう言い出したのも何かわけがある筈で…


いつもなら『またあたしだけ仲間はずれかよ!』って怒り出してたけど、キョウスケの態度を見てると……てか、二人の雰囲気から“それ”が何だか立ち入っちゃイケない禁域な気がした。


それはきっと―――





あたしの為―――……?





「でも…イチも誘うことないじゃん」とあたしの声は尻すぼみ。


「別に本気でイチに来てほしかったわけじゃねぇよ」とあたしの掴んだ手にそっと戒の掌が置かれて、胸倉から手を離される。


「じゃぁ何で……」


「あの女はスネークと繋がってる。あの女を押さえておけば、目に届くとこに置いておけば


スネークは手を出してこない」


スネーク……


平和(?)だった雰囲気が一気に変わった気がした。


忘れようとしても、それは無理で―――


「で?……手を出してこないって保証は?イチは保険か?」と目を上げると


「お前珍しく頭が回るな~」と戒はにこにこ笑ってあたしの頭を撫でる。


「と言うわけであの女も連れてこいよ?」とキョウスケの方に向かって戒が言うと、キョウスケはしぶしぶと言った感じで頷いた。




「それに進藤の恋も応援したいしな~♪」




と、戒が言い出し


「え!キモ金髪もリコのことを!?」


「“も”ってことは川上も好感触ってこと?」と戒がドリンクバーで何やら楽しそうに笑い合ってるリコ&キモ金髪を眺める。


「う……うん」


何とか答える。キモ金髪が戒に何を言ったのか分かんないけど、流石にあたしの口からリコとキモ金髪がキスしたってことは


言えねぇ。


「じゃー決まり♪」と半ば強引に決まっちまって、話し合いが終わった頃リコとキモ金髪が戻ってきた。


「メンバーが決まったことだし、明後日とかどうだ?店定休日だし」と戒が言い出し


「はぁ!?流石に急過ぎるだろ!」とあたしが言うと


「そうですね、明後日は天気もいいみたいですし」とキョウスケも同意。


何だよこの急展開は!!