不思議だ…ちょっと前までこのメンバーで当たり前のようにつるんでいたのに、今はただただキマヅイ。
スカートの裾をきゅっと握って俯いていると
「あ、先輩の飲み物なんですか?おいしそう」と隣でリコがキモ金髪のグラスを指さし。
不自然過ぎる程の会話のやり取りに、あたしはリコにまで気を遣わせちゃってることに気づいた。
「あ、これ?カフェオレ……だか、カフェラテだか…」とキモ金髪はグラスをちょっと持ち上げ
「進藤、お前川上に教えてやったら?」とドリンクバーのある場所を目配せ。
「あ…はい!」とキモ金髪が慌てて立ち上がる。リコも
「行ってきま~す…朔羅は?何が欲しい?」と聞いてくれて
「あ…じゃぁオレンジジュース」と慌てて答え、リコとキモ金髪がドリンクバーに向かっていった。
「おい!キョウスケとキモ金髪が居るんなら先に言えよ!」
と、あたしはキョウスケに気づかれないように戒に勢い込むと
「いや、最初は俺一人だったんだけど、なんか成り行きで??」
と戒が無理やり浮かべた笑顔を引きつらせている。
その不穏なやりとりを聞いていたのか
「戒さん…俺帰ります」とキョウスケが席を立ち上がろうとしたとき
「お待たせ~」とリコがグラス二つを手に戻ってきて
ぅを!早ぇよ!
キョウスケが何となく帰るモードだったのに、そのタイミングを逃したと言った感じで目をぱちぱちさせ…
あ、気を遣ってるのもキョウスケもか…
とちょっと感じた。何か純粋にリコのことを気遣ってくれてるのが嬉しいのと、そんなことさせてる自分が酷くイケナイ気がするのと……複雑だった。



