ちょっと悩んだ末、あたしが戒の隣に座り、あたしの隣に強引にリコを座らせた。
そしたらキョウスケとは距離的に遠くなる。
だけど、リコの前にキモ金髪がいる状況。
「リコちゃん、何食べる~?」
とキモ金髪がハートをまき散らしている??……ように見えて、こっちはこっちで気を遣う!
「お前は?何か食う?俺腹減ってんだよね~」と戒はマイペースだし。
キョウスケは「塩辛食いたい」とぼやいていて、
ふつー!!結構ふつー!!
キマヅイのあたしだけ!?
……じゃなくリコの方もそうみたいで
「あ、あたしたちエリナのおうちでケーキ食べてきたから飲み物だけで」と気を遣っている。
おい!!てめぇるぁ!!男共が揃って女の子に気を遣わせんじゃねぇ!!
と、怒鳴りたかったが何とか押しとどめた。
「あたしも…ドリンクだけでいい」とぶっきらぼうに答え、あたしの険悪な雰囲気を察知したのだろう、キモ金髪が
「あ、戒の兄貴の髪の色いいっすよね~染めてるんすか?
俺、(実の)兄貴の嫁さんが帰っていったら髪色変えようかな~って思って」
と話題をわざとらしく変えた。
「あ?これ?
俺のは地毛。朔羅は染めてるよな~♪」
と、にこにこ話を振られて、さらりとあたしの髪を触ってくる。てかこっちに話振るんじゃねぇ!とは言えず「ああ…うん…」と曖昧に頷くことしかできなかった。
ちらり
気にするようにキョウスケの方を見ると、キョウスケは普段通り、ぼーっとしてて今は頬杖を付きながら窓の外を眺めている。
いつもなら『何だよ、外に面白いもんでもあるのか?』と笑って突っ込むところだが、とてもじゃないがそんな雰囲気じゃない。
何かを言ったら誰かが傷つきそうで、口を開けない。