☆ キマヅイ!? ☆


エリナのおうちで女子会をはじめて、あっという間に四時間は過ぎていて、5時になったぐらいでエリナママが部屋をノックして


「エリナ~?お夕飯何がいい?朔羅ちゃんたちも、もし良かったら」と誘ってくれたが、ケーキやお菓子でお腹いっぱいだし、約束もないのに大人数はちょっと失礼かと思った。


結局『次回に』と言う話にまとまって、あたしとリコは新垣家を辞去することにした。


「また来てね。エリナあなたたちと一緒だと笑顔が多い気がするの」とエリナママは来たときと同じ様に階上を気にする。


「はい、また来ます」と頭を下げリコと帰る道すがら


「エリナ大丈夫かなぁ。二学期も始まったら、ずっとあのまま引き籠ってるわけにはいかないし」とリコが背後をちらりと気にして


「そうだよなー……早くあの淫行コーチを黙らせないとなぁ。


そだ!戒に聞いてみようよ!エリナが最初に泣きついたのはアイツだったし、アイツだったら何かいいアイデア浮かびそう!」


「そうだね~…早く鴇田さんの計画を実行したいけど…エリナがあの調子なら、しばらく見送らないといけないし…」


リコが頷き、あたしも同じように頷くとスチャっとケータイを取り出した。


戒に電話を掛けると


『もっし~?♪』とフザケタ応答があり


「何だ、そのフザケタ応答は!」思わず怒鳴ると


「さ、朔羅っ……」と、隣を歩いていたリコがあたしのブラウスの袖をちょっと引っ張る。


夕方5時は、まだ通行人がいて…ちょっと近所に買い物風のおばちゃんがびっくりしたように目を丸めている。


ゴホン


あたしはわざとらしく咳をして


「今どこ?あたしエリナのお家から帰るとこなんだけど…」と声を低めると


『おう、俺も駅前のファミレスに居る、一緒に帰ろうぜ~』と明るい返答がかえってきて


「え!何で!てかストーカー!?」


あたしの声に買い物途中のおばちゃんがまた振り返り、奇妙なものを見る目付きでそそくさと行ってしまう。


「じゃー、そこで待ってて。


10分以内に着けると思うから」


あたしは早口で説明して、「戒、近くに居るっぽい」とリコを目配せすると


「ちょうど良かったね~」とリコはほのぼの。


そこからリコとお喋りしながら10分の道のりを歩き、到着したファミレスで


ちょうどいい……ワケない!!


キモ金髪ならまだしもキョウスケも居るんかよ!!



ぅう゛ぅ~~~!!


またもあたしの背後でほら貝の音が響き、嵐が巻き起こったのは言うまでもない。