。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。




「てか激しめで言うと響輔んとこが一番じゃね?」


俺は攻撃先を響輔に向けて、響輔は額に手を当て深くため息。


「あ……リコちゃんから何となく……聞きました…


ユーって名前の…」


何だ、川上そんなことも話したんかよ。


「ああ、youね。それ芸名だから」


「芸名!?何すかそれ!え!?まさかのお笑いタレント系!?」


「ちげぇって、こいつの女は元モデルで今…女優?」と響輔を振り返ると、


「え!?モデル!?女優!?」と進藤だけが、キョトキョト。


「おおまかなことは合ってますし、激しいてところも否定しません」


響輔は額に青筋を浮かべてタバコを取り出す。さっきの俺より“不機嫌オーラ”が出ててその負のオーラを察したのか、さっきの変な間を詰めて進藤が慌てて響輔のタバコにライターで火をつける。


「あの女!何なん!


見舞いにひまわりの花持ってったら『あたし好きじゃないし、あたしに似合うのは薔薇よ』とか、ほざきやがって!


自分の親父ンとこに贈りつけたひまわりの鉢を、俺がせっせとお世話しとったのに!何やの、あの態度は!


んで、大喧嘩。しばらく顔見たないわ!」


ひまわり?


お世話…?


すぐにピンときた。それは鴇田が事故に遭って、見舞いに行ったとき響輔が鴇田に渡してたね。(。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・参照)


てかこの短期間で花なんて咲かないし。


お前、ズルしたな。と目を細めていると


進藤は普段大人しめの響輔のこの態度に慣れてないようで、びっくりしたように目をまばたいている。


しかし響輔、お前も結構な具合で尻に敷かれてるな。


まぁ唯一、俺と進藤とは違って大人しく尻に敷かれるタイプではなく、女に対抗(?)してるってことだよな。


そう言えば響輔のタイプって清楚なお嬢系だったしな…


あれか?女は一歩下がって俺についてこればいい系?古臭いな~お前…


と思ってると


「殺虫剤や!シロアリ駆除せなあかん!」


と、またも響輔の妄想…?いや、暴走がはじまった。古臭い…以前の問題な気がした。


一歩??どころかイチは100歩ぐらい響輔の先を颯爽と歩いていそうだ。


響輔……お前ホントにイチのこと好きなの?『これ』が一昨日イチが病院に運ばれてきて、泣いてた男と同一人物だと思えない。


「今ならまだ間に合うて、俺の中の自分が言うてる。


お嬢を一途に想ってたときの方が幸せやった。今からでも遅くない」


とブツブツ言ってる響輔に


「やめぇ!お前はイチんところに居れ!」と今度は俺が慌てた。


せっかくライバルが一人減ったって言うのに、『出戻り』とか、許さへんで!