苛々しながらアイスコーヒーのストローに口を付けていると
「俺……今までは、付き合う女ってアクセサリーみたいな感覚で…
見た目が良けりゃそれでいいって。連れて歩いたり、ツレに紹介したりするとき可愛いけりゃそれに越したことないって。
だから(顔だけなら)すっげぇ可愛い姐さんと付き合えたら、とか思ってたんス」
と、進藤が話しだした。
「進藤、お前趣味いいな。俺も朔羅に一目惚れしたクチだ!」
うんうん頷いて、
「で?」
俺は進藤が何を言いたいのか分からずせっかちに目を上げて聞くと
「いや!可愛いんっすよ!!普通に!いや、タイプじゃないけど結構…いや、かなり?レベルは高いって言うか」
進藤の周りの女?
考えて、あんま想像できなかった。まあこいつ何かと顔広いしダチは多いだろうが。
「でも、今まで全然意識してなかったし、そうゆう対象に見てなかったけど……
なんかすっげぇ可愛く見えて…
この子のこと守ってあげたい…とか…癒してあげたい…とか
は、はじめてなんすよ!こんな感情!!」
何だよ、回りくどいな…誰だよ、その相手の女は……と思って、すぐにピンときた
「ははぁ、お前まさか新垣 エリナに惚れたな?」とニヤリと笑って指さすと
「違っ!違うっす!」
と進藤は全否定。この否定っぷりは嘘じゃなさそうだ。
てかそもそも嘘つく気なんてなかったんだろうな。それに俺に嘘ついてどーするってんだ。
でも……女?
レベル高…
誰だって言うンだよ。
………
考えて、まさか―――ね…
おい、それ以上は言うなよ?進藤。
言うな…
「リコちゃんのことっス!」
言ったぁあああ!?
半分ぐらい気づいたが、まさかっ、って考えの方が勝ってたから、
ブっーーーーー!!
俺はアイスコーヒーを盛大に吹き出した。



