まぁ人生のほとんどがこいつと一緒だったわけだし、俺の考えを見破られたことに今さらどーこー言うつもりもない。


言うつもりも…


「ここは戒さんの奢りやで。俺、枝豆と、キムチと、コーンバターと…」


前言撤回。


金の亡者め!


まぁイチの見舞い中にこいつを強引に呼びした俺も悪いっちゃ悪いが。


イチは回復傾向も良いらしく、明日には退院できるらしい。


まぁ飲んだのが睡眠薬だったし、ドクターの処置もあって順調らしいが。


「あの女、元気になって恋人になったからって急に我が儘になりやがって。


俺に迎えに来い言うて。しかも手ぶらじゃイヤとか抜かしやがって」


ギリギリ…


響輔はテーブルの上で握った拳に力を入れてて、忌々しそうに眉をしかめている。


あのー……ホントに付き合ってるんですよね、おたくら。と突っ込みたい。


まぁイチも何事もなく無事退院できるわけだし、響輔も何だかんだ言いつつ、こうやって俺に付き合ってくれる。


はー……朔羅早く帰ってこねぇかなー…


と項垂れていると


チャリラ~♪


俺のケータイがメール受信を報せて


朔羅かも!


と思っていそいそと開けたが「何だよ進藤かよ」とちょっとげんなり。


メールを開いて


“兄貴、どこっスか?”と書いてあった


あー…そうだった。こいつとも会う約束してたんだ。と今更思い出した。