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** 戒Side **



バイトあがったのは夕方16時。


微妙~な時間だな!


おネエ店長、もっとまともなシフト組めないんかよ!とちょっと思ったが、どうやらレポートとかで忙しい大学生組が夕方からラストまで入るらしい。


「ちっ!暇な高校生だと侮りやがって」


ドン!とグラスをテーブルに叩き付けると、グラスの中に入ったアイスコーヒーが僅かに飛び散った。


「ドリンクに当たらないでください。戒さん、腹減りません?


俺は…」と向かい側の席でメニュー表を開いている響輔に


「塩辛はねぇぞ」と釘差し。


「……何で分かったんですか」と響輔は目をパチパチ。


てかお前、どんだけ塩辛を求めてるんだよ。


響輔は俺の突っ込みにも怯まず、「枝豆にしようかな」と一人ブツブツ。


まぁ?俺もバイトあがりで腹は減ってるけどな。


「って言うか、一週間の期限切られてるんですよ?こんな所でのんびりしてて良いんですか?」


と響輔がメニュー表を見ながら無表情に聞いてきて


「つったって、あいつ川上と新垣 エリナと女子会があるって」


と言うと、響輔は何を納得したのか小さく頷き


「なるほど、だから新垣さんの家の最寄り駅のファミレスでお嬢を待ち伏せしてるんですね」


「ま!待ち伏せとか!そんなんじゃねぇし!」


俺はストーカーじゃねぇよ!と言いたかったが


「で、一人で待ってる間寂しかったから俺を呼び出した、と」


響輔……当たってるだけに何も言い返せん。