「え!それだけっ?リコ、変な所に連れていかれなかった?」


とリコの肩を両手で掴んでゆさゆさ揺さぶると


「倉庫以上に変なところってどこよ~


大丈夫だよ、心配ありがと。手を繋いであたしをちゃんとお家まで送り届けてくれただけ」


そのことにちょっとほっ。


「でもねー……考えたらあたし響輔さんとちゃんと手を繋いだことないな~って。


男の人の手って大きくて


なんか


安心できた。



それとね……あたし響輔さんに恋してるとき、泣いてばっかだった…響輔さんが意図して泣かせたわけじゃないけど…



でもね、先輩はあたしを楽しませてくれた。ぎこちないけど、すごく一生懸命で」




そっか……


「響輔さんにフられた直後、先輩は優しくしてくれて、一生懸命慰めてくれて…


何となく流れでキスして…


急に意識しだして……


何かあたし軽い女だなーって思ったら朔羅にも連絡できなくて……」


そっか…あの沈黙の二日間はそうゆう意味もあったんだ。


「てか軽いなんて思わねぇし。(相手があのキモ金髪ってとこは気に入らねぇが)


あ、あたしも戒と付き合う時そんな感じだったし」


「そうだよ~、別にどんなタイミングだっていいじゃん~好きになるのに…意識しだすのに時間とか関係ないよ?


リコが幸せならそれが一番」とエリナもにこにこ。


叔父貴は―――…


『恋に破れたのなら、新しい恋が癒してくれるさ』って言ったけど


本当にそうだった…


リコが幸せならあたしも応援……


「できるかぁ!!あのやるぉう!!!マジでカチコミかけてやる!」


ドン!テーブルに脚を乗せて喚くと


「「か……かちこみ??」」


二人が目を丸めてあたしを見上げていて……


いかん、いかん!ついこの二人の前だと素が出ちまう。