ぐしゃり…
手の中で経歴書と名の付いた紙がよじれる音を聞いた。
気付いたら経歴書を強く握っていた。紙を通り越して爪が掌に食いこむ程強く。
こんな―――薄っぺらい経歴、俺が捻りつぶしてやりたい。
化けの皮を剥いで、雨龍(日本刀)であいつの首を切り落としてやりたい。
いつか実の弟を手に掛けたように―――…
カラン…
グラスの中で氷が溶けたのか、またも渇いた音を立てた。
その音を聞いてはっとなった。
「大丈夫か、リュウ」とタチバナが俺の肩に手を置いて聞いてくる。
大丈夫か―――…?一体何を言っている。
俺は大丈夫だ。
「顔色が良くない。今日の“会議”はお開きだ。
チェックを頼む」とタチバナは俺に口を挟む隙を与えず、バーテンに言って手を軽くあげ
俺が何かを言い出す前に
「かしこまりました」とこちらもそつなく答えるバーテン。
ちっ
俺は内心で舌打ちをした。
「ここは一旦冷静にならないと、スネークの思うツボよ?約束の一週間の間で、また何とか考えましょう」と彩芽が最後に残ったボンベイサファイアを飲み干し
俺は今度こそ、はっきりと分かるため息を吐いた。



