「はーなーえーちゃん!」

花笑は気づけば遠くにいた。

いつもスタスタ早歩きで僕は追いつけなかった。

小学3年生の春、僕は花笑への恋に気づいた。

本当はきっともっと何年も前から花笑の事が好きだった。

「ねーかなた!はやくー!」

そんなことを言いながら花笑は走った。

きゃはははは

僕の大好きな笑顔で。

いつからだろう。
はなえちゃんから花笑に変わったのは。

いつの間にか僕達は知りたくないことも、見たくないものも吸収できるようになっていた。