『ははは、ラブラブです』
あのたった一言がアメリカンドッグを食べ終えたあとも私の頭の中でグルグルする。
アオが恥ずかしがらずに私のことを彼女と紹介してくれるのがくすぐったいけど嬉しい。
それは当たり前のことかもしれないけど、イケメンのアオと普通の私だから隠したいんじゃないかなとつい思ってしまう。
ただでさえ人混みはぶつかりやすいのに、そんなことを考えているせいで、思いっきりぶつかってしまいその反動でアオの手を離してしまった。
「すみません」とぶつかった人に謝り、辺りを見渡してみても時すでに遅し。
アオの姿が一瞬にして見えなくなってしまった。
人混みでどこにいるか全く分からない。

