1変わった日

高校1年生になった私(春川瑠香)は、毎日平凡な日々を過ごしていた。
入学して数日、高橋凛乃という友達ができた。
「聖梨奈おはよう」
凛乃とは仲が良く、毎日一緒にいるくらいだ。
「凛乃、おはよう。また同じクラスだね。よろしく」
「うん。よろしく」
凛乃がいて、私は正直安心した。
今日の授業は特に何もすることなく、自己紹介だけで終わった。
そして、迎えた放課後。
「瑠香、私塾だから先に帰るね」
「うん。また明日ね」
凛乃の少し後に帰ろうとしたその時、
「春川さん。少し話があるんだけどいいかな」
誰だろう.......。
「はい」
呼ばれたのは、学年でモテランキング一位、二位を争うくらいのイケメン川瀬怜斗。
川瀬怜斗は、イケメンのあまりに学年で『王子』と
呼ばれている。
川瀬くんは、顔が整ってて、肌が程よく焼けている。そして、制服のネクタイをゆるく結んでいた。制服を誰よりもかっこよく着こなしていた。
「春川さんとは少しだけ話したことあったよね」
「うん。」
なんなんだろう。急に。
「それで話なんだけどさ」
「どうしたの?」
「俺さ、春川さんのこと好きなんだ。」
私は場の状況が理解できなかった。一位、二位を争うくらいのイケメン王子がこの一般人みたいな私に告白してくるなんて思っても見なかった。
戸惑って返事をすることができなかった。
「春川さん、俺と付き合って欲しいんだけど」
ここは、断ろう。こんな私じゃ絶対釣り合わない!
「でも、私.......」
断ろうとした瞬間言葉を遮られた。
「俺は、春川さんじゃなきゃダメなんだよ。絶対大切にするから」
どうしよ。断れないよ.......。
「じゃあ、私でよければよろしくお願いします」
勢いでそう答えたけど、私には自信がなかった。
「やった。じゃあ今日からよろしく」
彼は笑顔でそう言ったけど.......。
「よろしくね。川瀬くん」
「川瀬くんじゃなくて、怜斗ね」
えっ、、。あの王子を怜斗君と呼んでいいのかな.......。
「わかった。怜...斗君」
「はい、瑠香」
呼び捨てで呼ばれたからかな。
距離が一気に近く感じた。
明日から、どうなるのかな?
その日は不安しかなかった。

『怜斗version』
俺が小さい時だった。
ある日いや、ほとんど毎日公園に一人で行っていた。
その公園は誰もいないような静かで少しボロいような公園だった。
でもそこは本当に誰もいなくて、しかも空が綺麗だった。
俺は、何かあるとその公園のベンチに座って誰もいないところで綺麗な空を見上げるのが好きだった。
小さい頃の俺は家族が好きだった。でも、それもつかの間。お父さんとお母さんは喧嘩するようになり、2人は離婚した。いつも喧嘩ばっかりで、俺は毎日ストレスを感じていて、そして更に相談する相手もいなければ行く場所もなかった。辛くて逃げ出して、着いたところがこのボロい公園だった。この公園の空を見ると心が癒され、嫌なことが全て無くなる感じがする。
ある日、俺はまた辛くなり家を逃げ出した。
俺は辛いのに、空はすごく綺麗で澄んでいた。
ベンチに座ろうとして、ベンチに向かった。
空を見るとなぜか涙が出てきて、それが止まなかった。
泣いていた俺に1人の女の子が近づいてきた。
「君、泣いてるの?」
その女の子はストレートのロングヘアで、少し茶色がかった髪色だった。その髪の毛は少し風になびかれいてとても綺麗な髪の毛だった。
俺はその子に興味を持った。
あまり女子と話したことない俺はその子のことを少し気になり始めていたのかも知れない。



怜斗が小さい時に公園で1人で空を見ていたら、1人の女の子に出会って、名前を聞いたら瑠香だった。瑠香は覚えていないが怜斗は確実に覚えており会ううちに瑠香に惹かれていく。そして、瑠香がその高校に受験すると知り、受験を決めた。そして告白した。