『何かあったの?』

そう綴られていた。とても綺麗な字で。
私は、頷くと言葉を繋げた。

熱が出た事で耳が聞こえなくなったこと。そのせいで、ピアノまで弾けなくなったこと。用済みの私があの家から出ていかないと行けないこと……を。

心愛先生は優しく聞いてくれた。私の事に嫌な顔の1つもせず、優しく…。それだけで、胸がいっぱいになった。そして、気づいたら眠っていた。


今度はあんな暗闇な世界じゃなくて、真っ白い世界だった。