教室の中にいる生徒全員が大きな音をたてて開いたドアを凝視する。

すると、ドアの向こうから現れたのは、うちの学校の制服を着て、少し困ったように笑っている男の子だった。

その男の子は少し困ったように笑いつつも、目は笑ってなんかいなかった。

そんな恐ろしく器用な顔をした男の子は黒板をチラッと見た後当然のように私たちに近づいて来た。