二人で駐車場までの道のり。
葵は私の二の腕をつまむ。
これが葵の癖。
「菜月、ヒートテックの下なに?」
「ヒートテックの下はブラだよ」
「間違えたそうじゃなくて下」
「ズボンの下にヒートテック極暖ってやつ履くと暖かいよ」
「全然違うから」
「それじゃあ、寒いでしょ」
「チャックもしめて」
そういって上着のチャックを閉めてくれた
「ほらこうすると暖かいから」
そういって襟を立ててくれた
葵は心配性でいちいち優しい。
こんな私をちゃんと女の子扱いしてくれる。
最強の私の彼氏。
「いってらっしゃい」
葵色に日々は染まっていく。


