パジャマ姿に上着を羽織って
見送りに行く。
「菜月、見て」
鏡の前に立っている葵がこっちを見る。
「葵、今日も絶好調だねっ!」
葵の寝癖は天才的だ。
「俺、スパイダーマンになれるよ」
葵、ちょっと言ってる事がわからない。
「葵、スパイダーマン好きだもんね」
「仕事の時さ、ハットとか帽子かぶってその寝癖隠してるの?」
「そうだよ」
「そりゃ、凄いな」
「俺は売ってないからね
俺の技術を売ってるから俺は目立たなくていいの」
逆に目立ちそうだからちゃんと隠しておいてね。
葵は服装もシンプルだ。
香水もつけない。
飾らないところが好きだ。
香水をつけない理由はその香水が好きな人と嫌いな人がいるからね。って言ってた。
そういう考え方も好きだ。


