「で、なんだ?」

「いえ、特には何も無いのですが、もう寝たのかなと。」

「あ、あ~なるほどな。てかまだお前まだ起きてたんだな。」

恵は少し黙ったあと、話し出した。

「私、毎晩寝る前に考え事をするんです。」

「考え事?」

「はい、私殺されたんです。父親を。」

「え....」

俺はいきなりの話に声が裏返ってしまった。

「あっ...すいませんいきなり....」

「い、いやいいよ。続けて。」

俺は恵が喜山蓮太を殺したい理由が分かるかもしれないと思い、話すように促した。

「私の父親は私が産まれる前に死にました。そして私の母も、私が四歳の時まで女手一つで育ててくれましたが、やはり精神的な負担が大きかったのか自殺してしまいました。」

恵は少し黙ったあと、また話し出した。

「私の父親は殺されたんです。とある男に。もし父が死んでいなければ、私の母親もおそらく死ぬことはなかった。」

俺は固唾を飲んで恵に聞いた。

「そのとある男ってのは....?」





「喜山.....蓮太.....」