聖夜の雪の...愛する暗殺者

暗い部屋の中、豆電球のオレンジ色の光だけが見える。

やはり人間は視覚を奪われると聴覚が敏感になるらしい。

恵の寝息はもちろん、心臓の鼓動さえ聞こえる気がする。

俺はその心臓の鼓動らしき音に耳を澄ます。何故か俺はその心臓の音にドキドキしてしまった。

変態だと言われたら何も反論できないが、決して性癖とかそういうのではない。

純粋に、ドキドキしてしまうのだ。

それを性癖と言うって?やめてくれ。

そうやって俺が耳を澄ませていると、恵が唐突に話しかけてきた。

「蓮太さん。」

俺は心臓の鼓動レベルの音を聞いていたので、恵の話しかけてきた声はあまりにも大きすぎた。

俺は驚いて、エビが物凄い勢いで後ろに逃げる時のような動きをしてしまった。

「えっ。どうしたんですか蓮太さん?」

俺は慌てて体勢を立て直す。

「あっ、あ、いや、な、なんでもないよ。」

「そうでしたか。」

と恵は不思議そうな感じに言った。