ルーズリーフを持ったまま立っていた僕は、それをテーブルに置いて、座っている彼女のとなりに座った。

「ごめん……僕が気づかない間に、ほのかのこと傷つけてた…? もしそうなら、ごめん。不満とか、言いたいこととか、言えたら、全部言って欲しい…」

すると彼女は突然、僕の肩に頭を預けた。

「えっ、ほのか…」

「ごめん宗ちゃん、違うの、宗ちゃんは悪くないの」

そう言う彼女の表情は、彼女の前髪で隠れて見えない。


「…ここ最近、みんなで試験勉強してたの、楽しかったの。楽しかったんだけど……その、宗ちゃん、ずっとあげさんに勉強教えてたでしょ? それで…」

……あ、それで、解らないところが訊けなくて、今日連絡くれたってこと……? いやでも、天音さんもいたし、天音さん頭いいから、訊けばきっと答えてくれるはず。………じゃあ、どうして………?


「…その、………宗ちゃん、とられる気がして、」

「………え?」

「宗ちゃんずっとあげさんの方向いてるから……けど勉強の邪魔しちゃいけないから、せめて、これ描いたら、宗ちゃんが気づいた時に、話せるかなって……思ったの…だから、ほんとに、何でもないよ」


え——————