【大丈夫だよ。僕がほのかの家行く?】
送信するとすぐに既読がついた。
【ううん、私が宗ちゃんとこ行くよ】
ほのかが僕の家に行くなんて言ったの初めてだ。というか、お互いの家で会ったのは、ほのかの家であの漫画の男の人と同じポーズを取らされた、あの1回きりだったけど。
【じゃあ迎えに行く? 場所解りづらいと思うし】
【近いし大丈夫。住所ちょうだい、準備したら行くから】
解った、と返信をして住所を送った。
……ていうか忘れてたけど僕の家、ほのかの家と近い設定のままだった………
付き合う前、彼女と同じ方向から帰るために嘘をついてしまっていた。隠しているわけではなかったけど訂正するタイミングを掴めず、今日までそのままにしていた。
……と、とりあえず、準備しなきゃ。それで、もしものために、外で待ってよう。入口ちょっと解りづらいから、もしかしたら迷っちゃうかもしれない。
部屋はそこまで広くないため、邪魔になるので食事の時以外は畳んで隅に置いてある折り畳みテーブルを出し、全ての科目のテキスト類を出した。
ほのかの家から僕の家まではだいたい10分くらいのはずだったので、僕は少し早めに外に出て、彼女が来るのを待つことにした。



