そしていよいよ、試験を明日に控えた日曜日。
早瀬は金曜に、この土日で僕が教えたところを徹底的に復習すると言って意気込んでいたので、たぶん頑張って勉強しているだろう。
僕も今日は明日の分の試験勉強を徹底的にする予定で、机にルーズリーフを広げる。
「……ん?」
その中の1枚の隅に、何やら描いてあるのを見つけた。
すごく上手な絵だけど、これは一体誰だろう。そして誰が描いたんだ……?
僕はお世辞にも絵が上手いとは言えないし、もちろんここに落書きをした記憶もない。
………ほのかか………?
けど、早瀬の勉強をほぼつきっきりで見ていたせいで全然気づかなかったし、そもそもほのかが落書きをするようには思えないんだけど……
そんなことを考えていたら、スマホが鳴った。…………ほのかからだ。
【宗ちゃん、勉強見て欲しいんだけど、忙しいかな?】
…あれ、ほのかは結構自力ですらすらと勉強を進めているように見えていたし、ていうかいつも小テストはほぼ満点取ってたし、解らないところは滅多にないイメージだったんだけど…
でも僕にできることなら何でも手伝いたいし、何なら最近はずっと早瀬とばかり話していたから、ほのかとの時間があまりなかった。会えるなら会いたい。



