三次元彼氏。



“学校の人”というワードに、少なからずダメージを受けてしまい、再びフリーズしてしまった。


僕はほのかを彼女としてしっかり認識しているけど、ほのかにとって僕はまだ“学校の人”止まりなのか……?

……いや確かに、彼氏らしいことをしたこともなければ恋人同士らしいこともまだ全然したことがない。というか、彼氏らしいことも恋人同士らしいことも、まだいまいちよく解っていないけど………。

それにしても、ほのかにとって僕はまだ彼氏として見られていないのかなどと少し余計なことを考えてしまって、チクチクと胸が痛んだ。


「……宗ちゃん、聞いてますか?」

「…え、あ、ごめん、もう1回いいですか?」

「ここ、行ってみたいです」

そう言ってほのかは、僕にスマホの画面を見せてきた。そこに映っていたのは、お洒落な外観のカフェ。


「昨日ガッキー達とカフェに行って、大学生ってこういうお洒落なお店に行くようになるのかあって思ったら、私も色々調べてたんです」

「じゃあ、ここ行きましょう。今度の土曜でいいですか?」

「はい、楽しみです!」



————『女子は男子からのアクションを待ってるんだよ』


ふと、この前の早瀬の言葉が浮かんだ。


……そうか、そういうことなのかな…………?


僕はほのかに彼氏として見てもらえるように、土曜日は頑張ろうと心に誓った。