三次元彼氏。



……嘘ついてごめんなさい、けどちょっと早すぎてまだ心の準備が……………



「……解りました、すみません急に連れてきてしまって」

「えっ、あ、いや全然…」


彼女は特に気にしていない顔で、じゃあまた明日、と家の中に入って行った。




「っはあ〜〜…」


呼び方決めるのはあんなに照れて進まなかったのに、家に入れるのは全然大丈夫なのか……………えぇ、これが普通なのかな………全然解んないや………………


自宅アパートまでの道を歩きながら、さっき起こったジェットコースターのような出来事を振り返った。



っていうか、手…………!!

突然掴まれてびっくりしすぎて何も言えなかったけど、手なんて繋いだの、幼稚園のお遊戯会の時か小さい頃に母親と出掛けた時くらいで、物心ついてから女の人と手を繋ぐなんて全くなかった。


あんなにも自然に………………




「………手を繋ぐのだって十分レベル2だよ………」


さっき繋いだ左の掌を見ながら、僕は恥ずかしくなって早歩きでアパートに帰った。