……やっぱり、今日の僕は、何だか変だ、いつもと違う。
三上さんから、目が離せない。彼女の全ての言葉や表情に反応してしまう。
「滝本くん、家どっちでしたっけ?」
「へ?」
「あ、いや、今まであの4人で一緒に帰ったことなかったから、学校出てどっち曲がるのか解んなくて」
………え、これ、もしかしなくても、一緒に帰る流れ……?
前にカラオケから途中まで一緒に帰ったことはあったけど、何せ今日の僕はおかしいので途端に緊張してきた。意味も解らず手汗が出てくる。
「……あ、ごめんなさい、4人じゃないのに一緒に帰ろうとか図々しいですよねごめんなさい…」
「えっあっ、いや、そんなことは、」
申しわけなさそうな顔をした三上さんは、じゃあ、と言って1人先に学校を出て行こうとする。
「っま、待って!」
慌てて追い掛ける。振り返った彼女は驚いた顔で僕を見た。
「一緒に帰りましょう、家、どっちですか?」



