食べ終わって少し話していたら、時刻はあっという間に14時を過ぎていた。
「あ、あの、そろそろ帰りませんか?」
三上さんはスマホの時刻をちらっと見て言った。
「あ、はい、」
もう少し話していたかったな…。
けど、家でやることがあるなら引き留めるのはあれだし、明日も学校だから会えるし………
それなのに、僕はどうしてか三上さんとこのままずっと話していたいと思った。まだ帰りたくないと思った。
あれ、僕何かおかしい………?
今までこんな風に思ったことなかったのに、どうしたんだろう………
「…滝本くん?」
「っえ?」
「お皿、戻しに行かないんですか?」
三上さんは既にリュックを背負い、お皿を持って立ち上がっていた。
「…あ、行きます」
…僕、どうしちゃったんだろう、何か今日の僕はおかしい。
僕もリュックを背負って、お皿を戻しに席を立つ。
「こんなにゆっくりお昼ごはんを食べたの久しぶりです」
学食から出て、三上さんはそう言って笑った。



