「宗一郎………、確かに呼ぶにはちょっと長いですね。………あ、あの、滝本くんって、呼んでいいですか…? ずっと、何て呼んでいいか解らなくて………、あの、嫌じゃ、なければ…………」
彼女はもごもごと、語尾がどんどん小さくなった。
何だろう、体が小さいせいなのかな、彼女が可愛く見えるのは…………。
「いいですよ、呼びやすいように呼んでもらえれば」
「解りました、じゃあ、今から滝本くんと呼ばせてもらいます…!」
今度はパッと明るく笑う彼女。この前も思ったけど、表情がころころと変わって面白いな。
「あ、じゃあそれなら僕も……何て呼べばいいですか?」
「えっ?」
「ほのかさんっていうのは何となく会話で解ってたんですけど、その、いきなり名前で呼ぶのも、あれかなと、思って……」
僕の語尾もだんだん小さくなった。
「あっ、ごめんなさい名乗ってなくて、三上ほのかと言います…!」
三上ほのかさんか………。
僕は何故か噛み締めるように彼女の名前を心の中で言っていた。