体温を測ろうと、体温計を探すために近くを見回したら、ベッドの縁に腕を載せたほのかが寝ていた。


「ほのか、体冷えちゃう」

「…ん……」

軽く体を揺すると、彼女はゆっくりと体を起こした。


「……あ、宗ちゃん…おはよう」

「おはよう。ごめん、僕床で寝ればよかった」

「えっ……?」

テーブルの上に体温計を発見し、早速体温を測る。


「え…今何時……、17時過ぎてる」

ほのかも僕と同じようにスマホで時刻を確認した。薄暗い部屋に、スマホの画面で照らされた彼女の顔がぼんやり浮かぶ。



———“ピピピピ”

「何度だった?」

「うーんと、」

薄暗くて全然見えないので、スマホの画面で体温計を照らした。


「……6度8分」

「下がってるー! よかったあ〜」


ほのかの表情はよく見えないが、きっといつもみたいに笑っているんだろう。


「ほのか、来て」

ずっと床に座っているほのかを、僕のとなりに呼ぶ。

「ん? 何?」

彼女は立ち上がって、僕のとなりに腰掛けた。


「ありがとうほのか。ほのかが来てくれなかったら、たぶんまだ熱下がってなかった」

「そんなの大げさだよ、私ごはん作っただけだし…っえ?」