いつか誰かに恋をする………。

「祥太兄ちゃん。
…………………………祥太さん。」

俺の目をしっかり見つめ。

今まで呼んだことのない呼び名に…………

ドキドキが止まらない。

……………

和花は、何を伝えに来た??

急に怖くなった俺は。

「和花、ジュースでも飲むか?」と言って。

尻を浮かせた。





「逃げないで!!」

いつかの空き教室での出来事を、思い起こさせる強い口調で。

ヘタレの俺の心を、繋ぎ止めた。

しぶしぶ腰を下ろす俺の目を

再びじっと見つめて………………。


「………………大好き………です。
諦めると約束して。
教師と叔父さんとして………見ようと思ったのに………。
やっぱり、好きは止められなかった。
…………忘れる為に付き合ってみても………。
私の為に色々言ってくれた
夏生にすらヤキモチを妬いて……………。
…………………………。
祥太兄ちゃんに黙って留学することを決めて………
怒ってるよね?
本当は、一番に相談したかったし…………
引き留めて欲しかったの。
でも………
忘れる為に行くことを決意したから…………
揺らがないよう………言えなかったの。
今でも……やっぱり好き。
………………けど、今度こそ………
本気で忘れる努力をする!
1年離れて…………
もしもそれでも忘れられなかったら。
その時は、また遠くに行くからね!
……………だから…………
和花の言ったことを気にしないで………
好きな人を見つけて、結婚してね。
………………………祥太叔父さん。」

そう言うと………

あの時と同じように

俺に抱きついて来た。