「藤堂…………。
ありがとう。
正直、和花を女の子として見たこともなければ………
意識すらしたことのない俺にとって………。
和花の気持ちを理解するのは………難しいんだ。
否定っていうより
戸惑いが先で………困ってる。
和花は、俺にとって天使で……
付き合うとか彼女にするって……考えたこともない。
先週、泣かれて抱き止めた時
俺が知ってる和花とは違って、大人になっててびっくりしたくらい。
和花は…………小さい時のままなんだ。」

「そんな事、和花だって!」

和花を庇おうと、声を出した藤堂を制して。

「うん、分かってる。
俺がこんな考えだから………
和花は無理して、今まで通りに接したり。
俺との関係を公表したり。
佐藤と付き合ったりしたんだよな………。
キスされて、泣かれて…………
初めは驚きと、戸惑いばかりだったけど………。
今は………前向きに考えないとって思ってる。
あっ、別に付き合うって意味の前向きじゃないぞ。
ただ……
和花の気持ちを理解しないとって………。
和花がこんな行動をする程追い込んだのは、俺だから。
何処まで理解出来るか分からないけど………
和花が俺を好きになってくれた気持ちだけは
受け止めようって………思ってる。」

俺の答えに、やっと笑顔を見せてくれた。

ちょうどその時チャイムが聞こえ……

「少しは、私にも………
大好きな和花が好きになった男が良い奴だって思わせて下さいね!」

そう言い残して、教室を後にした。