「それで、話しを戻しますけど。
和花は………
私には全く理解出来ませんが!
祥太先生の事が好きです。
………それは今も変わりません。
響は……。
多分だけど、和花の事が好きだと思います。
まぁ、私の想像なので……確かじゃないけど。
なので二人は、付き合ってる事にしてるだけだと思います。
和花は、中学の時から響に相談していたみたいだから。
………響が和花を助ける為に
敢えてそういう事にしてるんだと思います。
だって………
祥太先生は、和花を受け入れる気がないでしょう?」

受け入れるもなにも…………

「和花は……家族だぞ?」

思わず声に出ていたらしく…………

再び拳をもらった。

「信じられない!
まだそんな事言ってるんですか?!
少しは和花の気持ちを考えてくれたのかと思って話しを聞いたのに………。
ホント………この男、最低。
教師じゃなかったら、本気の拳が入ってますからね!」

藤堂が怒る気持ちは………分かる。

もし誠の好きな相手が、好きな気持ちをないがしろにしたら

やっぱり怒るだろうから………。

そう頭では分かるのに。

和花とはずっと一緒に過ごしてきたからか………

受け入れる以前に、考える事すら出来ない。

「…………悪い。
けど………やっぱり…………」

さっきまで、目尻を上げて怒っていたのに………

「まぁ………分からないではないですけど………」と

多分、藤堂としても微妙なんだろう。

本気で応援するには、おじさんでリスクもあるからなぁ。

出来るなら…………

『俺との恋心は間違いだった!』

『響と本気で付き合う。』と言って欲しいよな。