その日は………

朝からバタバタしていた。

というのも………

俺は、待ちに待った幼稚園のお泊まり保育だったから。

「祥太、先生の言うことをちゃんときくんだよ。」

「うん。」

「おねしょしないように、寝る前はお茶を飲んだらダメだぞ。」

「もうおねしょしてないでしょう。
大丈夫だよぅ~」

「いっぱい遊んで、思い出いっぱい作って来いよ。」

「は~い!
プールに花火、キャンプファイヤーもあるんだよ!
楽しみ~」

お泊まりの布団と荷物を車に積んで

お父さんと幼稚園までずっと話していた。

「それじゃ、楽しんで来いよ。」

「お父さんもお仕事頑張ってね!
また明日会おうね~」

別れはいつも突然来ることを

俺が忘れかけていた頃………。

父親との最後の会話が、終わった。