「旨いなぁ!」

温かい肉まんは、ホカホカして………

昼間にお袋と食べたお子様ランチより美味しく感じた。

クマのお巡りさんは、田辺さんと言った。

「祥太。
明日は、パトカーに乗せてやろうか?」

『うん!』と頷く俺に

「だったら、田辺さんの所に来いよ。」と………。

今思うと、上手く誘導させられたが。

電車と車が大好きな俺は

見かけるだけでもテンションの上がるパトカーに乗れるとあって。

「うん!!」と大きな声で、返事していた。

「そういやぁ、今日は誰にトーマスを買ってもらったんだ?
カッコいいな。
ちょっと見せて。」

仲良くなった田辺さんに、大好きなトーマスを誉められ

気を良くした俺は………

「お母さんだよ!
電話して来るって言ってた…………。
何処に行ったのかなぁ?
………もしかして、迷子になったの??」

心配する俺に

「そうなんだよう~
お母さんを見つけてあげたいんだけど………
誰と電話するって言ってた?」とさりげなく話しを聞く。

「そうなんだね!
えっと…………えっと………。
……………………………………………言ってなかった…………。
…………………………………………。
あっ!!!!
でも、おじちゃんかも!
今日は一緒じゃなかったけど………
いっつも一緒だから。」

「おじちゃん??」

「そう!
お料理作るおじちゃん。
お母さん、学校に行ってるの。
ご飯作るの上手なんだよ!
ハンバーグが、スッゴク美味しいんだぁ。」

お袋自慢がヒートアップする俺に。

「おじちゃんと遊びに行ったりしたの?」と話しを軌道修正する。

「行ったよ!
一緒にご飯食べたり、お買い物したの。
でも…………お父さんに言ったらダメだよ。
お母さんに『お父さんにナイショ!』って言われてるから………。
言ったら、おもちゃ買って貰えないの!」