「祥ちゃん、おはようございます。」

「ねぇ~
祥ちゃんって、本当に彼女いないの?」

「まさか、マコちゃんと付き合ってないよね?!」

朝から門前で大騒ぎする和花のクラスメイト。

「こらっ!
祥太先生と誠先生。
おまけに、気持ち悪い噂話しなんかやめろ!
俺は、女の子が大好きです!
彼女は…………
まぁ、今はいないけど………。」

週末のカラオケから、すっかり友達のノリの生徒達。

教頭辺りに聞かれたら………

大目玉だな。

何とか注意して、教室に向かわせる。

そんな時。

「おはようございます。
朝からモテモテですね。」と

可愛い笑顔の女性に、声をかけられた。

「おはようございます、絵莉花先生。
モテモテって…………。
朝からからかわれて大変です。」

苦笑いで答えると。

毛先を緩くカールさせた髪をなびかせ

「ご謙遜を………」と言いながら

コロコロ鈴の転がるような声で、笑われた。

「だったら、私が立候補しようかな?」

冗談とも本気とも取れる口調でからかわれる。

「ホント………
やめて下さいよぅ~
生徒が聞いたら………
またからかいの種になるんですから~」

危ない危ない。

俺は、基本同じ職場で恋愛するつもりはない。

付き合っている間は良いが…………

別れてしまうと目も当てられない。

高校の時の彼女に懲りて………

同じ職場や学校の女の子とは付き合わない事にしている。