「おはようございます。」

「おはよう。」

清々しい朝の挨拶をして、職場に急ぐ。

今日は、朝から和花に構っていて

ギリギリになった。

「すみません、遅くなりました。」

自分のデスクに荷物を置くと

直ぐにマイクの調整をするため、持ち場に走って行く。

「おいおい、珍しいなぁ。
遅刻ギリギリか?
もしかして、昨日は彼女とデートでもしてたか?」

同期の植草に肩を叩かれ、からかわれる。

「アホ。
出掛けに家族と揉めて、遅くなったんだ。
俺が彼女いない事くらい、知ってるだろう。
それより、マイクスタンド………高さ調節したか?
ウチのリーダーは、身長が低い事を気にしてるからな。
高すぎて恥をかかせたら、一生恨まれるぞ。」

誠は、高校からの腐れ縁。

ウチの事情を理解している、数少ない友人だ。

「ごもっとも。
じゃあ、昇格の為に頑張って働いて
リーダーのお気に入りになりますか!」

後一時間でやって来るリーダーの為

自分たちの持ち場に戻った。