「和花、遅刻するぞ~」

緊張感のない和花を起こし。

「一花姉、和花がまだ寝てるけど………。
入学式に遅れるとマズイだろう?
クマさんも休み取れなかったし。
一人でビデオも撮るんだったら
早く行って、いい場所確保しないと。
今日は送って行くよ。」と

車で連れて行く事を誘う。

「もぅ、いいんだから~
祥兄ちゃんは、早く出掛けてよぅ。
和花は、お母さんとゆっくり電車で登校するんだもん。
お母さん、帰りに色々寄り道して帰ろうね!」

入学式より、帰りの寄り道をメインに考えている和花。

「一花姉、変なところを教えたらダメだからな。
和花も、高校生があっちこっち寄り道して良い訳じゃないんだから。
真面目に登校する道を覚えるんだぞ。」

グチグチ言っていると………

「いいから~
それより、和花との約束覚えててよ!
約束破ったら、もう一緒にデートしないんだからね。」

俺が一番嫌がる罰を与えて………約束を守らせようとする和花。

「はいはい………。
じゃあ、遅れないように。
行ってきま~す………………。」と、しぶしぶ家を出た。