「祥兄ちゃん、お熱?」

元気のない俺を心配して

小さく可愛い手で、熱を計ってくれる。

ただし、熱があるか分からないはずだけど。

「やっぱりお熱ですね~
お注射しますよぅ~」

ままごと用のお医者さんグッズを持って来て、注射をしてくれる。

「和花~
頭に注射はないんじゃないの?」

苦笑いしながらも

この可愛い天使のやること全てを覚えておきたい。

後どれくらい、一緒に居られるのかなぁ。

愛しければ愛しい程………

別れを思うと辛い。



「祥太、風邪だって?」

悩みの種のクマさんが顔を出す。

「……………別に。」

八つ当たりだが………不機嫌な声が出る。

「おっ、今さら反抗期か?
そんな顔してたら
可愛い和花ちゃんが悲しむぞ!
和花が心配して、俺に助けてくれって電話してきたのに…………。
けど、和花は可愛いよなぁ。
パトカーと救急車を間違えて
俺なら祥太を助けられるって思ったみたいだ………。
お巡りさんに医者の治療は出来ないのにな。
でも……………
お巡りさんは………相談にはのれるぞ。
悩みがあるんだろう?
言ってみぃ。」

……………………敵わないよ。

これが言いたかったんだろうな。