ふと……………お袋が頭に浮かんだ。

3歳で捨てられ…………。

捨てらた事を理解した5歳で…………

お袋の記憶も思い出も、全てを捨てた。

それからは…………

憎しみだけだった。

なのに……………

本当に、フッと思い出したんだ。

お袋の笑顔を……………。

「祥ちゃん。」って………抱き上げて笑った顔を………。

「………俺……。
お袋に…………愛されてたのかも………………。」

一人。

ボソッと呟いた言葉だけど………。

「あぁ。」

「うん、そうだよ。」

「………祥ちゃん。」って………。

笑顔で包まれた。

和花……………。

和花は、もう応えてくれたな。

母さん、クマさん………一花姉。

父さんの記憶と………………お袋の笑顔も…………

ここにはある。

俺の心に………

和が出来た。

産まれてきてくれて……………

『ありがとう。』