コンコン。

「祥ちゃん、入っていい?」

わぁ、ヤベェ。

『ちょっと休憩』のつもりが………

おもいっきり寝てた!

「ちょっと待って。
暑かったから………着替えてる~
直ぐ降りるから!!」

『おかえり』も言わず。

顔さえ見せなかったら…………

俺が拗ねてるって思うよなぁ。

「分かったぁ。
祥ちゃんの好きなチョコレートのケーキ買ってきたから
一緒に食べよう。」

俺の返事に、明らかにホッとした声に変わる。

………………一花姉は………

いつも俺の心配をする。

それはもう……10年続いている。

そう………。

10年前………俺と一花姉が『姉弟』になった時から…………。